KING OF KINGS NACHO

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突然のお別れ

2018年12月31日、大晦日の朝、ナチョが他界しました。正確な誕生日はわからないのですが、保護時の年齢は確定していたので10歳〜11歳のあいだです。若い。そしてわが家に来てまだ1年。あまりにも早すぎる別れです。

ナチョが保護されたのは2017年8月(当時9歳)。わが家でトライアルがはじまったのが2017年12月。トライアルといっても、はじめて出会った9月の譲渡会で心撃ち抜かれ、満を持してトライアルの申込みをし、正式譲渡を決めてのトライアルスタートでした。

ナチョについて

過去記事にもありますとおり、ナチョは口が出る(噛む)子でした。しかし、もともと賢く愛情深い気質の子。毎日の積み重ねで、驚くほど短期間で表情、体つき、毛並み、行動、すべてが変化し、そして、その安定した心と体でわたしとともに、不安を抱えやすい繊細な気質のラナをサポートしてくれるまでになっていました。

「口がでる(噛む)」「うなる」「吠える」ことから、「チワワはそういう子、多いよね(そのまま受け入れよう、あるいは主従関係をハッキリさせて従わせよう)」と言う方もいますが、チワワだから噛む、うなる、吠える、ということはありません。全てに理由があることで、生きてきた経験から(あるいは経験不足から)そのような行動になることが多いです(遺伝的な気質が関わってくることもありますが)。

様々な理由から起こる人間側からみた「犬の問題行動」に対し、力や暴力を用いるのは絶対に間違っている。その想いでナチョと接してきました。ナチョは本当に”気”の強い犬でした。それはめちゃくちゃ褒め言葉としてです。誇り高く気高い。

人間が問題行動というような行動をする犬のことを、バカ犬呼ばわりする人も多いですが、本来そういう犬はバカ犬とは程遠い知性と気性を併せもつ犬です。どういう行動をすれば人に殴られず済むのか、音で脅されずに済むのか、そんなことはとっくにわかってる。個性を無視し、尊厳をないがしろにする人に対し、自らの意志を伝えるため、胸を張って生きているだけです。

仮に、「”上下関係(主従関係)”をわからせる」という名のもとに大きな声や音で脅かしたり、恐怖や痛みを伴うようなことをしていたら、最期の日のわたしとナチョの関係は絶対になかった。犬を家族といいながら、上下主従の関係を疑わないのはなぜですか?親子の関係は上下ですか?違いますよね。

混沌とした意識の中で、わたしの声だけに反応し、もう見えてはいないはずの瞳でしっかりとわたしの顔を見つめ、満足のため息ひとつ、しっぽをひとふりして逝きました。

わたしに悲しみだけを遺さないようにと、誇り高い態度を貫いて。

昨年の1月にうなる、噛むしていた犬は、2月にはうなる、噛むをしなくなりました。くせ毛のように緊張して逆だっていた首のうしろの毛も、つやつやと美しい艶をたたえ、フラットになりました。

ナチョは、暴力・恐怖・力で行うしつけが何の意味も持たないということ、真の信頼がどのように築かれるものか、改めて確信させてくれた犬です。ナチョにしていた気遣い(尊厳を大切にする)は、本当は、本来は、”手のかからない”犬にも必要であろうし、そうするべきであることも。

グリーフ(悲嘆)

わたしはいま、いわゆるグリーフのプロセス通りの道をたどり、繰り返しています。パウのときの記事でもすこし触れましたが、中学時代に読んだE・キューブラー・ロスの「死ぬ瞬間」。この本のなかにあった死の受容プロセスそのものです。

  1. 否認
    (嘘だ、信じたくない、信じられない、ありえない、動揺、慟哭、パニック)
  2. 怒り
    (なぜナチョが、どうしてナチョが、”誰に”と矛先を定めることのできない怒り、救えなかった自分に対しての怒り)
  3. 抑うつ
    (力が入らない、やる気がおきない、みぞおちあたりが常に重い)
  4. 受容
    (生き返ることはない、あきらめ、死を受け入れる)

2週間経った現在、2(怒り)から4(受容)のループです。それも1日のなかでものすごいスピードで繰り返すループです。

これはもう、静かにじっとやりすごすしかありません。時間ではなかなか解決できない苦しみ、喪失感もありますが、それでもわたしはとても恵まれていると思います。犬を見送る苦しさ、何度経験しても慣れることのない痛みをわかってくれる、悲しみによりそってくれる友人も家族もいます。周囲の理解と支えは本当にありがたく身にしみます。

わたしは会社員ではないのでその辺り疎いのですが、福利厚生としての忌引は、親や配偶者であっても7日程度が一般的ではないかと思います。1週間程度の時間で悲しさ、苦しさ、痛みがやわらぐこともないのですが、”表面的な立ち直り”を、社会はこのくらいの時間で要求するのだな、ということも考えます。ましてや、ペットロスについての理解は依然として多くの環境ですすんでいないのだろうな、ということも。

先述のとおり、現在はグリーフのプロセスを日に何度も繰り返している状況です。1ヶ月後、3ヶ月後、1年後、どのように心が変化しているのかはまだわかりませんが、グリーフのプロセスのスパンがゆっくりになり、戻ったり、進んだりを繰り返し、そして、最終的に、笑いながらまるで隣にいるかのように話ができるように変わっていくのだと思います。

わたし自身の立ち直りはまだまだですが、先に逝ったわたしの犬たち、気立てのいいパウ、黒、チコに、ナチョが末っ子として温かく迎え入れられていることだけはしっかりと感じています。

たった1年しか過ごすことができなかったけれど、20年いっしょにいたような熱く一途で気高く、そして純粋な、心からの愛をくれました。

わたしはいつかまた必ずナチョを見つけるよ。必ず。今度はもっと早く。

もっともっときりがないほど書きたいことはありますが、いまはこのくらいしか書けません。

When I grow older
I will be there at your side 
To remind you how I still love you
I still love you

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