平岩米吉著 犬を飼う知恵の最初に書かれている言葉。小学校3年生頃に、よく立ち読みに行っていた書店(小田原 伊勢治書店)で購入。
はじめて犬を飼う人向けに書かれた本で、犬の病気についての項目が充実しており、病犬の看護や老犬へのケアなど、著者の犬に対しての思いやりが随所に溢れています。
古い本なので現在にはあてはまらないような記述もいくつかあります。それでもわたしがいまだにいちばんよく読む犬関連の本。
わたしはオンラインでハンドメイドの迷子札ショップを営んでいますが、小さな犬にも負担のない、軽くて小さな迷子札を作りたいとおもったきっかけはこの頃この本を読んだことに端を発します。
平岩米吉著 犬を飼う知恵
第二篇 成犬 第十三章 病気の手当 三 病犬の看護 (4)首輪をはずす
首輪はいろいろの太さや形のものがあるが、幅の広い、金物などの多くついているものは、立派には見えても、重症の場合には相当の負担になる。重い首輪ははずして、代わりに、臨時に布の類で作った細い首輪にしてやる。また、連れて歩くときの頑丈な鎖も同様重いので、これも軽い綱に代えてやる。
重態の犬に、大きな首輪と重い鎖をつけたままにしてあるのは、いかにも痛ましい。
なお、このような配慮は、病犬の場合ばかりでなく、高齢の老犬にも望ましい。
そして、犬の学習能力について、とても印象に残っている一文。
言葉のわかり方は、犬の知能や環境によって非常な相違ができる。いい加減に放置されている犬と、常に家人の身近にいて深く愛され、その生活にとけこんでいる犬との間には、無学なものと学者ほどの隔たりができてしまう。
実家近所のA家は、わたしが子どもの頃からずっと、いつも犬を飼っている家です。
ずっと犬がいて、犬を切らしたことはないから「うちはいつもなんかしら犬はいるね」という「愛犬家」。
でも、今も昔も、A家の犬はずっと薄暗い場所に繋がれっぱなし。犬を撫でているところを見たこともない(仔犬のとき以外は)。ごはんもをあげるときも、遠くからぽいっと皿を投げる。水飲み皿にはコケがはえていたり、水が入っていないこともザラ。
具合が悪そうにしていても、獣医には連れて行かない。獣医は自由診療だからいくらかかるかわからないし、(動物は)ほっとけば治るということらしいのです。
A家の犬たちの寿命は、だいたい10歳前後。A家によると「みんな長生き」。その「長生き」した期間、A家の犬たちはなにを楽しみに生きていたのだろう。子どもの頃からよく考えます。そして、なぜ、A家が犬を飼い続けるのか、ずっと考えているのですがいまだ謎が解けません。
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